岡見公園の花々

岡見公園には、樹齢200~300年のシイの群生林や、センダンバノボダイジュ(モクゲンジ)の群落があり、どちらも香美町の天然記念物に指定されています。また、様々な種類の海浜植物や山野草が自生し、豊かな植生をみせています。植物園に行ったつもりで観察してみませんか。

※岡見公園の一部は、山陰海岸国立公園の第一種特別地域です。希少な植物を見つけても、写真を撮るだけにし、そのままの姿を残すように心がけましょう。

岡見公園の花々

ユウスゲ【夕菅】 花期:7月~8月

ユリ科の多年草。本州~九州の山地の草原や林縁などに生育しますが、紀伊半島や山陰地方では海岸近くにも見られます。葉は幅1.5㎝くらいで、先は垂れ下がります。葉の間から1mぐらいの茎を伸ばし、先の方で枝を分けて、ユリに似た淡黄色の花を5個ほどつけます。花には淡い香りがあり、夕方から開きはじめ、翌日の午前中にしぼんでしまいます。このような性質と葉がスゲに似ているところからこの名があります。花が黄色であることからキスゲともよばれます。香美町の町花に指定され、小中学校などへの植栽も盛んです。

岡見公園では展望広場西の斜面に群生するほか、沿道にも植栽されています。

モクゲンジ【木患子】 花期:7月

ムクロジ科の落葉高木。センダンのような葉を持ち、種子がボダイジュ同様、数珠の材料になることから、別名「センダンバボダイジュ」ともよばれています。中国及び朝鮮半島を主な原産とし、日本には古くに渡来し、実用的な意味合いもあって主に寺院に植栽されました。本州、特に日本海側の海岸や山間に野生が見られますが、その数は次第に減少しています。樹皮は灰褐色で鳥の羽根のような葉が互生します。黄金色の小さな花がたくさん咲き、花の散る様子を金色の雨に例えて「Golden rain tree」という英名があります。

岡見公園東側斜面に、高さ6m、幹周り50㎝を最大として、約100本の群落を成し、天王山椎群生林と共に香美町の天然記念物に指定されています。

トベラ【海桐花】 花期:5~6月

トベラ科の常緑低木。トビラノキともよばれ、節分の日に枝を扉にはさみ、魔除けにしたのでこの名があります。ヒイラギが葉の鋭いとげで鬼払いをするのに対し、トベラは、葉や茎などにある独特の臭気を鬼が嫌うのだといいます。海岸地方に生え、高さ2mほどになります。葉は互生し、長い卵形で厚く、乾くと裏側に巻き込みます。雌雄異株で、枝先に白い五弁の花を咲かせます。晩秋に球形の果実が熟すと3つに裂けて、中から粘液のある朱色の美しい実が顔を出します。庭木や街路樹としても利用されています。

岡見公園展望広場にあるほか、各所に自生します。

サクラ【桜】 花期:4月

バラ科の落葉高木。国花ともされるサクラは、花王とも称され、古くから日本人にこよなく愛されてきました。日本に自生するサクラの野生種は11種類とされていて、それらが現在国内で見られる多くの桜の祖先と考えられています。香美町には、兵庫県に自生するサクラ(ヤマザクラ、カスミザクラ、キンキマメザクラ、エドヒガン、オオヤマザクラ)のすべてが存在し、県内でも大変珍しいまちであることから、町花に指定されています。栽培種を含めるとサクラの品種数は500種類以上あるとされ、その代表がソメイヨシノです。江戸の染井にあった植木屋が、オオシマザクラとエドヒガンを交配して作り出したといわれています。ソメイヨシノより少し遅れて、新しい葉とほぼ同時に八重の花を咲かせるサトザクラは、淡い紅色や淡い黄緑色など、たくさんの品種があります。ボタンザクラともよばれ、塩づけにした花を桜茶にします。

町立香住天文館のある広場や沿道に植栽され、岡見公園はサクラの名所といわれます。

その他の花

ヤブツバキ【藪椿】
ヤブツバキ【藪椿】
花期:12~3月
ツバキ科の常緑低木。北海道を除く日本各地の山野に自生する。日本の誇るべき花木の一つ。
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ハマボッス【浜払子】
ハマボッス【浜払子】
花期:5~6月
サクラソウ科の越年草。花穂の様子を、禅僧が煩悩などを払う法具の払子に見立ててこの名がある。
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タニウツギ【谷空木】
タニウツギ【谷空木】
花期:5~6月
スイカズラ科の落葉低木。田植えの時期に咲くことから、タウエバナの名もある。
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キリンソウ【麒麟草】
キリンソウ【麒麟草】
花期:5~7月
ベンケイソウ科の多年草。五片の小花は明るい黄色で、集まって咲いた姿は鮮やか。
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タイトゴメ【大唐米】
タイトゴメ【大唐米】
花期:5~7月
ベンケイソウ科の多年草。海岸の岩場に自生する日本原産の多肉植物。葉がお米の形に似ている。
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オカトラノオ【岡虎の尾】
オカトラノオ【岡虎の尾】
花期:6~7月
サクラソウ科の多年草。花の穂が虎の尾のようで、丘に生える草の意でこの名がある。
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テリハノイバラ【照葉野薔薇】
テリハノイバラ【照葉野薔薇】
花期:6~7月
バラ科の落葉低木。葉の表面に光沢があるノイバラ。秋になると実は赤く熟す。
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カワラナデシコ【河原撫子】
カワラナデシコ【河原撫子】
花期:6~10月
ナデシコ科の多年草。秋の七草の一つだが、初夏のうちから開花し、秋へと咲き継ぐ。
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オオバギボウシ【大葉擬宝珠】
オオバギボウシ【大葉擬宝珠】
花期:7~8月
ユリ科の多年草。大きな葉が名の由来。若い芽はウルイと呼ばれ、山菜としてもよく知られている。
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カセンソウ【歌仙草】
カセンソウ【歌仙草】
花期:7~9月
キク科の多年草。名の由来は不明であるが、漢字の意味や響きがよいので、風流人に好まれる。
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コオニユリ【小鬼百合】
コオニユリ【小鬼百合】
花期:7~9月
ユリ科の多年草。オニユリの変種で、花の数はオニユリより少なく、形も小さいためこの名でよばれる。
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ハマベノギク【浜辺野菊】
ハマベノギク【浜辺野菊】
花期:7~10月
キク科の越年草。海岸に生えるノギクの仲間で、淡紫色の花が咲く。
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センニンソウ【仙人草】
センニンソウ【仙人草】
花期:8~9月
キンポウゲ科の蔓性の多年草。花弁のような十字形のガク片が、白く美しい。
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ツルボ【蔓穂】
ツルボ【蔓穂】
花期:8~9月
ユリ科の多年草。柔らかな花穂は、花が下から咲き上がる。サンダイガサ(参内傘)の別名がある。
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ヤマジノホトトギス【山路の杜鵑】
ヤマジノホトトギス【山路の杜鵑】
花期:8~10月
ユリ科の多年草。白色で紫色の斑点のある特徴的な花を咲かせる。鳥のホトトギスの胸の模様に似る。
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ツリガネニンジン【釣鐘人参】
ツリガネニンジン【釣鐘人参】
花期:8~10月
キキョウ科の多年草。名は、花の形が釣り鐘形で、根がチョウセンニンジンに似ていることによる。
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ワカサハマギク【若狭浜菊】
ワカサハマギク【若狭浜菊】
花期:10~11月
キク科の多年草。鳥取県から福井県に至る、日本海の海岸岩場に生育する。リュウノウギクの変種。
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ツワブキ【石蕗】
ツワブキ【石蕗】
花期:10~12月
キク科の多年草。葉の表面が滑らかで光沢があることから、ツヤブキが転訛してツワブキと呼ばれる。
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マップ

  • ユウスゲ【夕菅】
  • モクゲンジ【木患子】
  • トベラ【海桐花】
  • サクラ【桜】

岡見公園のむかし

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